STARFORGEが早速、実力を発揮!
星形成の流れは、一般に、高密度のガス雲が重力でより集まって収縮し、球状のプラズマとなって恒星が作り出されるというもの。
STARFORGEのシミュレーションでは、最初の段階として、太陽の数千万倍の質量を持つガスの塊が銀河の中に浮かびます。
そこから、ガス雲が進化すると構造体が形成され、それが崩壊して破片となり、やがていくつもの星々が形成されました。
それらの星は両極からジェットを噴出し、周囲の雲を突き破ります。
そして、星の形成に必要なガスがなくなった時点で、このプロセスは終了しました。
新事実が発見されたのは、このジェットの部分です。
チームが、ジェットを条件から外してシミュレートしたところ、出来上がった星は太陽質量の10倍にもなってしまいました。
しかし、ジェットを条件に加えると、星の質量は太陽の半分以下となり、より現実的なサイズに収まっています。
こちらがシミュレーションの様子です。
グルディッチ氏は、これについて「ジェットは、星に向かってくるガスの流入を乱し、星の質量を増加させるはずだったガスを吹き飛ばしていたのです。
過去にもこのような現象が起きているのではないかと予想されていましたが、実際にシミュレーションで確認できたのは今回が初めて」と説明します。
STARFORGEの活躍は始まったばかりで、真の実力はまだ発揮されていません。
星の質量が計算できると、星の明るさや内部の仕組みが明らかになり、ひいては星の死を正確に予測することも可能でしょう。
同チームのクロード=アンドレ・フォシェ=ジグエル氏は「STARFORGEは、星の形成だけでなく、銀河や宇宙全体、さらには私たち自身についての理解を深めるのにも役立つ」と指摘。
「星の形成が理解できれば、銀河の形成を理解することができます。そして銀河の形成が分かれば、宇宙が何でできているのかを詳しく知ることができます。
私たちがどこから来て、宇宙の中でどのような位置にいるのかを理解するには、星の起源を理解することが必要なのです」と述べています。
STARFORGEがどんな宇宙の秘密を明らかにしてくれるのか、これからが楽しみです。
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