キッカケは研究者の目の前で起きた略奪劇
多くの動物の世界では、オスは強くあることが求められます。
自分の遺伝子を残すには、競争相手となる他のオスを退け、メスに対して積極的な求愛を行う必要があるからです。
しかし、アマゾンに生息する「セルフィンテトラ」と呼ばれる魚の世界では、少し様子が異なるようです。
発見のキッカケは、ブラジルの国立アマゾン研究所の研究者たちが、アマゾンの支流でシュノーケリングをしているときに見かけた奇妙な光景でした。
オスの求愛がメスに受け入れられカップルが成立し、産卵に適した住処に移動し始めた直後、大きな体格をした強いオスが物陰から飛び出してきて、カップルのメスと交尾(体外受精)しはじめたのです。
一方、カップルの片割れだったオスは、強いオスにビビッたのか、逃げ去ったそう。
一連の光景は、強いオスが弱いオスを退けてメスと交尾するという何気ない現象にも見えましたが、現場を直接観察したda SilvaPires氏は何かがひっかかりました。
強いオスにとって、何もかもが都合が良すぎる展開だったのです。
そのため一連の事件には、偶然を超えた何かがあるに違いないと考え、彼は調査をはじめました。
今回目撃された流れるような「寝取り」劇は、計画的なものだったのでしょうか?