AIが生み出す実在しない顔「ディープフェイク」
上に二人の子どもの顔写真がありますが、このどちらが本物で、どちらが偽物か分かるでしょうか?
この顔写真では左の子が実在の人物の写真で、右は人工知能によって生成された偽物の画像です。
こうした人工知能に作られた偽の画像は、「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク」を組み合わせた造語「ディープフェイク」と呼ばれています。
この画像を生成しているのが、「敵対的生成ネットワーク(Generative adversarial networks; GAN)」と呼ばれる機械学習システムです。
このシステムの中には、贋作者(生成ネットワーク)と、鑑定士(識別ネットワーク)の2人が存在していて、贋作者が存在しない新しいデータを生成し、鑑定士がそれを見破ってダメ出しする、という作業を繰り返しています。
偽ブランドや、偽札などを作る贋作者は、最初見様見真似で偽物を作りますが、それを取り締まる警察やメーカーの鑑定士にバレてしまうと、改良してどんどん偽造の精度を上げていきます。
敵対的生成ネットワークでは、このイタチごっこを再現することで、どんどん精度の高い偽物を自動生成ができるようにしているのです。
ディープフェイクはもはや人の目では見分けがつかないレベルで非常に精巧な偽画像を生み出すようになっています。
しかし、ニューヨーク州立大学のフイ・グオ(Hui Guo)氏が率いる研究チームはこれを見破る方法を発見したといいます。
公開された論文によると、その秘密は目にあるのだといいます。