脳を監視する制御チップを15カ月運用してみた
電気刺激の自動化のために、研究者たちは新たな制御チップを開発しました。
この新たな制御チップには上の図のように、偏桃体の異常活動を感知するための電極と、「VC / VS」に対する電気刺激を行う電極が付随しています。
このチップを用いることで、サラの脳の偏桃体がうつの兆候を示すと同時に、回復用の電気刺激を行うことが可能です。
研究者たちはサラの頭蓋骨の一部を剥がして、バッテリーと共にチップを骨の裏に来るように配置し、経過を観察しました。
結果、非常に有望であることが判明します。
装置が設置されてから15カ月間、サラは以前のような思いうつ状態を1度も経験しておらず、つらいことや悲しいことがあったとしても、乗り越えられるようになりました。
また刺激を可能な限り効果的にするため、研究者たちはサラの脳への信号強度を調節し、最終的には1回の刺激を6秒間続く1mAの容量に決定しました。
現在、サラの脳ではこの刺激が1日に300回(合計時間は30分)ほど発せられていますが、容量が低いためサラ本人は刺激に気付くことはありません。
また現在の使用レベルの場合、バッテリーの寿命は10年ほどもつとのこと。