自動運転技術を応用した視覚障がい者用の「拡張杖」
自動運転技術を応用した視覚障がい者用の「拡張杖」 / Credit:Andrew Brodhead(Stanford University)_Stanford Researchers Build $400 Self-Navigating Smart Cane(2021)
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自動運転を応用した視覚障がい者用「ハイテク白杖」が開発される (2/2)

2021.10.31 Sunday

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拡張杖の自動運転システムが最善のルートに導いてくれる

自動運転に利用されているLIDARシステムを搭載
自動運転に利用されているLIDARシステムを搭載 / Credit:Depositphotos

拡張杖には自動運転技術や航空機に利用されているLIDAR(ライダー)システムが搭載されています。

このLIDARとは、照射したレーザーの反射光によって対象物までの距離や位置・形状を正確に検知する技術です。

これにより拡張杖は、使用者に代わって周囲の状態を把握。

AIによって情報が処理され、使用者が進むべき安全なルートを導き出します

先端のホイールが適切なルートに誘導してくれる
先端のホイールが適切なルートに誘導してくれる / Credit:Andrew Brodhead(Stanford University)_Stanford Researchers Build $400 Self-Navigating Smart Cane(2021)

さらに拡張杖の先端には、使用者を導くホイールが付いています

使用者はホイールの回転によって左右に引っ張られるので、そのリードに従うだけで自然と危険物を避けたり、最善のルートを歩行できたりするのです。

そして拡張杖を用いた実験では、視覚障がい者の歩行速度が普通の白杖を用いた場合よりも約20%増加しました。

また目隠しをした健常者によるテストではさらに高い効果が表れており、歩行速度は35%も増加したとのこと。

この結果は、拡張杖が使用者にスムーズな歩行を提供できることを示しています

また急に視覚を失うなど、白杖での歩行に慣れていない人にとっては、特に大きな助けとなることも分かりますね。

ちなみに拡張杖は「近くのコーヒーショップに連れていく」などのナビゲーションシステムとしても使用できるようです。

現在の拡張杖はプロトタイプであり、製品として購入できるのはまだまだ先でしょう。

しかし設計書や材料リストは公開されており、技術があれば約4万5000円の材料で自作可能とのこと。

今後チームは、機能の改良とさらなるコスト削減を目指します。

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