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ジャンクフードが「脳の記憶回路にダメージ」を与える仕組みを解明

2025.09.15 07:00:56 Monday

ハンバーガーやフライドポテトなど、私たちの身近にあふれるジャンクフード。

忙しい現代社会ではつい手軽に選びがちですが、実はこれらの食事が、脳の「記憶力」に深刻なダメージをもたらす可能性があることが、米ノースカロライナ大学(UNC)の最新研究で明らかになりました。

たった数日ジャンクフード中心の食事を続けるだけで、脳の中で“記憶をつかさどる神経回路”に異変が起き、将来的な認知症リスクまでも高める危険性があるというのです。

では、なぜジャンクフードはこれほどまでに脳に悪影響を及ぼすのでしょうか?

研究の詳細は2025年9月11日付で科学雑誌『Neuron』に掲載されています。

Junk food diet can quickly disrupt memory circuits in the brain, study finds https://medicalxpress.com/news/2025-09-junk-food-diet-quickly-disrupt.html
Targeting glucose-inhibited hippocampal CCK interneurons prevents cognitive impairment in diet-induced obesity https://doi.org/10.1016/j.neuron.2025.08.016

「脳の記憶回路」を壊すジャンクフードの作用

まず、今回の研究で着目されたのは、脳の記憶の司令塔ともいえる「海馬」です。

海馬は、体験したことを記憶として保存したり、必要な情報を呼び出したりする重要な役割を担っています。

研究チームは、マウスにハンバーガーやフライドポテトに代表されるような「高脂肪・高カロリー」のジャンクフードを与え、その脳の変化を詳しく観察しました。

その結果、海馬の中にある「CCK介在ニューロン」と呼ばれる特殊な神経細胞の集団が、ジャンクフードを食べた直後から“異常に活性化”してしまうことが判明したのです。

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それはわずか4日間という短期間の食事でも、記憶を支える神経回路に強いダメージが現れるという、驚くべき結果でした。

この異常は、脳が「グルコース(血糖)」を十分に利用できなくなることに起因していました。

高脂肪食を続けると、脳は糖をうまく取り込めなくなり、エネルギーが不足します。

その結果、CCK介在ニューロンは「非常事態」と認識して過剰に働き始め、逆に記憶形成に必要な神経ネットワークを乱してしまうのです。

研究ではさらに、脳細胞のエネルギー利用をコントロールする「PKM2」というタンパク質が、この現象に深く関わっていることも発見されました。

次ページ「たった数日」で記憶力低下、“回復の道”も明らかに

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