飛行機が「盗まれ、修理され、空港に放置される」珍事件発生
この事件の被害者は、カリフォルニア州ヨーバリンダ在住の75歳男性、ジェイソン・ホンさんです。
ホンさんは約30年前から、1958年製の小型飛行機「セスナ・スカイホーク」を所有し、自分の“宝物”として大切にしてきました。
最近はあまり飛ばしていませんでしたが、ときどき様子を見に空港に足を運んでいたようです。
そして2025年7月27日のこと、ホンさんは自分の75歳の誕生日を迎えた記念に、愛機に会いにコロナ市営空港(Corona Municipal Airport)を訪れました。
ところが、空港に到着してみると、飛行機がどこにも見当たりません。
「誰かが動かしたのか?」と空港中を探し回りましたが結局発見できず、混乱したまま警察に通報しました。
それから2日後の7月29日朝、ラバーン警察から連絡があり、ラバーン市のブラケットフィールド空港(Brackett Field Airport)で飛行機が発見されたとのこと。
機体には大きな損傷はありませんでしたが、コックピットにはタバコの吸い殻やゴミが散乱していました。
ホンさんは「今度こそ盗まれないように」と、飛行機からバッテリーを外して保管し、再発防止策を講じました。
しかし、その後またしても驚きの出来事が起こります。
8月3日(日)、再び空港を訪れると、飛行機がまたしても消失していたのです。
ホンさんは「バッテリーを抜いておいたのに、なぜまた動かせたのか」と困惑するしかありませんでした。
再度警察に通報すると、今度はサンガブリエルバレー空港(San Gabriel Valley Airport、エルモンテ市)で発見されたとの知らせが入りました。
このとき、コックピットには“新品のバッテリー”が装着され、ヘッドセットまで追加されていました。
ホンさんは自身の機体の飛行履歴を調べるため、航空機追跡サイト「FlightAware」を利用しました。
すると、7月中、ホンさんの飛行機は、何者かによって何度か飛行を繰り返していたことが明らかになりました。
そして翌日、ホンさんが空港で飛行機の消失に初めて気付いた、という流れです。
この出来事は、「盗まれて→無断で複数回飛ばされ→新品のバッテリーやヘッドセットが追加され、空港に放置する」という珍事件だったのです。