スカイ島で見つかった“融合体”の正体
化石が発見されたのは、スコットランドのスカイ島。
この島は恐竜時代から続く化石の宝庫であり、ジュラ紀に生きたさまざまな動物の“進化の物語”が眠る場所として知られています。
今回の発見は、実に10年に及ぶアメリカ自然史博物館(AMNH)ら国際研究チームによる努力の結晶でした。
調査のきっかけは、ごく普通のフィールドワーク中の偶然でした。
水分補給の休憩を挟んだ直後、「もう見つからないだろう」という冗談まじりのやりとりの中で、たまたま一人の研究者が化石の断片を発見。
その小さな発見が、長い分析と調査のスタートとなりました。
最初、見つかった骨片は形も大きさもバラバラで、研究者たちは「2種類の有鱗目(トカゲやヘビの仲間)のものだろう」と考えていました。
しかし、CTスキャンやX線による詳細な解析を経て、それらが一体の生き物、つまりブリュグナサイル・エルゴレンシスの全身骨格であることが判明したのです。
【本種の復元イメージがこちら】
この生物は全長約40センチ。
猫ほどの大きさで、当時の生態系では最大級のトカゲだったと考えられています。
しかし、見た目はまさに「ヘビとトカゲの合体生物」。
顎はパイソンのように伸び、フック状の鋭い歯が並び、胴体は短く、四肢はヤモリのようにがっしりと発達しています。
チームによれば、湾曲した歯と強靭な顎で、小さなトカゲや原始的な哺乳類、さらには幼い恐竜まで捕食していた可能性が高いとされています。