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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

ヘビとトカゲの融合体? 1億6000万年前の謎の古生物を発見

2025.10.02 17:00:22 Thursday

恐竜時代の新たなミステリーが、スコットランド西部の小さな島で発見されました。

まるで「ヘビ」と「トカゲ」が合体したかのような不思議な姿を持つ、その生き物の名前は「ブリュグナサイル・エルゴレンシス(Breugnathair elgolensis)」

この奇妙な古生物の化石が、約1億6000万年以上前のジュラ紀の地層からほぼ完全な形で見つかり、世界の古生物学者たちを驚かせています。

果たして、どんな生き物だったのでしょうか?

研究の詳細は2025年10月1日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。

Researchers Discover New Species of Ancient Hook-toothed Reptile https://www.amnh.org/explore/news-blogs/fossil-lizard Cat-sized Jurassic reptile had the jaws of a python https://www.popsci.com/science/jurassic-snake-ancestor-scotland/
Mosaic anatomy in an early fossil squamate https://doi.org/10.1038/s41586-025-09566-y

スカイ島で見つかった“融合体”の正体

化石が発見されたのは、スコットランドのスカイ島。

この島は恐竜時代から続く化石の宝庫であり、ジュラ紀に生きたさまざまな動物の“進化の物語”が眠る場所として知られています。

今回の発見は、実に10年に及ぶアメリカ自然史博物館(AMNH)ら国際研究チームによる努力の結晶でした。

調査のきっかけは、ごく普通のフィールドワーク中の偶然でした。

水分補給の休憩を挟んだ直後、「もう見つからないだろう」という冗談まじりのやりとりの中で、たまたま一人の研究者が化石の断片を発見。

その小さな発見が、長い分析と調査のスタートとなりました。

最初、見つかった骨片は形も大きさもバラバラで、研究者たちは「2種類の有鱗目(トカゲやヘビの仲間)のものだろう」と考えていました。

しかし、CTスキャンやX線による詳細な解析を経て、それらが一体の生き物、つまりブリュグナサイル・エルゴレンシスの全身骨格であることが判明したのです。

【本種の復元イメージがこちら

この生物は全長約40センチ。

猫ほどの大きさで、当時の生態系では最大級のトカゲだったと考えられています。

しかし、見た目はまさに「ヘビとトカゲの合体生物」。

顎はパイソンのように伸び、フック状の鋭い歯が並び、胴体は短く、四肢はヤモリのようにがっしりと発達しています。

チームによれば、湾曲した歯と強靭な顎で、小さなトカゲや原始的な哺乳類、さらには幼い恐竜まで捕食していた可能性が高いとされています。

次ページ進化の迷宮、ヘビとトカゲの起源に迫る

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