従来の片頭痛薬
片頭痛は、頭部の血管が拡張し、炎症を起こすことで、ズキズキと脈打つような痛みが生じる病気です。
片頭痛が生じるメカニズムは完全には解明されていませんが、遺伝的な要因、ストレス、寝不足/寝すぎ、天候、光、音、月経周期など様々要素が引き金となります。
頻度は一般的に月に1~4回程度だとされていますが、1度痛みが始まると、その強い痛みゆえ、仕事を休んだり予定をキャンセルしたりしなければいけない場合も少なくありません。
こうした事情から、多くの片頭痛患者は、痛みを抑え、何とかその場を乗り切るための「片頭痛薬」を常備しておきたいと感じるものです。
そして、これら片頭痛薬の種類は様々です。
例えば、片頭痛患者にとって身近なのは、アスピリンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤です。
これらは安価であり、市販薬としてドラッグストアなどでいつでも簡単に入手できます。
アスピリンは熱を下げたり痛みを抑えたりする働きがあり、これが含まれる商品として代表的なのは、『バファリン』でしょう。
イブプロフェンも炎症や痛みの原因物質の産生を抑制する薬であり、商品名としては『イブ』が有名です。
ちなみに日本では、ロキソプロフェンもよく使用されており、一般的にはアスピリンやイブプロフェンよりも効果が強いと言われています。
こちらも『ロキソニンS』などの商品名で市販されており、比較的簡単に入手できます。
そして、これらの薬でも痛みが緩和されない場合、医者からトリプタンを処方されるかもしれません。
トリプタンはセロトニン受容体に作用して血管を収縮させたり、血管拡張に関わる物質の放出を抑制したりします。
ただし、その血管収縮作用ゆえ、脳や心臓などの血管障害がある人には使用できず、医師の処方がなければ入手できません。
これらの薬は何十年も前から存在しており、患者たちに長年使用されてきました。
一方で、最近になって新しい片頭痛薬も登場しています。