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Credit: canva
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世界初、キノコで動く水なしトイレ「MycoToilet」を開発【画像あり】

2025.09.30 17:00:38 Tuesday

現代のトイレは、水によって排泄物を流すという仕組みが一般的です。

しかし、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)が開発したのは、その常識を根底からひっくり返すトイレでした。

その名も「MycoToilet(マイコトイレット)」

これは世界初となる「キノコで動く水なしトイレ」です。

MycoToiletは、自然の中での仮説トイレとして活躍することが期待されています。

では、一体どのような仕組みで動くのでしょうか?

UBC launches world’s first mushroom-powered waterless toilet https://news.ubc.ca/2025/09/ubc-launches-worlds-first-mushroom-powered-waterless-toilet/ World’s first mushroom-powered toilet could replace stinky porta-potties https://www.popsci.com/environment/first-mushroom-powered-toilet/

キノコパワーで、排泄物を「森の資源」に

MycoToiletの最大の特徴は「菌糸体」と呼ばれるキノコの根のネットワークを利用して、人間の排泄物を栄養豊富な堆肥へと分解する点にあります。

従来の仮設トイレでは、化学物質を使って臭いを封じ込めたり、廃棄物を有害なゴミとして処理したりしていました。

しかしMycoToiletでは、菌糸体が排泄物を自然のサイクルの中に還元してくれます。

【MycoToiletの実際の画像はこちら

実際の仕組みはこうです。

トイレの奥で排泄物を液体と固体に分離し、固体部分は菌糸体で覆われた専用コンパートメントに送られます。

ここでキノコが強力な酵素を生み出し、有機物を分解。さらに分解を進める微生物たちをサポートしながら、排泄物を堆肥へと変えていきます。

「キノコは人間や動物の排泄物を分解することがとても得意です」とUBCの微生物生態学者スティーブン・ハラム教授は語ります。

「酵素によって複雑な物質をシンプルなものに変え、さらに分解を進める微生物の活動を助けます。しかも、水も電気も化学薬品も必要ありません」

この仕組みによって、臭いの元になる成分の90%以上が除去されるといいます。

また建物自体にも工夫が凝らされており、内部は通気性の高いシーダー材やステンレススチールで清潔感があり、臭いを吸収する菌糸体の壁が設置されています。

屋根はグリーンルーフで地域の植物や動物もサポートし、換気ファンが空気を循環。

こうした最新の建築デザインも「仮説トイレ=不快」というイメージを一新しています。

次ページ社会を変える「新しいトイレ体験」へ

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