年齢による「自慰行為の頻度」のリアルな変化とは
今回紹介するのは、ノルウェーで1970年代に生まれた若者たちを十代から中年期まで追い続けた大規模プロジェクト「Young in Norway」研究です。
研究チームは、19歳から最大で50代後半まで、合計2562名の参加者から3回にわたってアンケートデータを収集しました。
この調査では、
・どのくらいの頻度で自慰行為をしているか
・パートナーとの性交渉の頻度
・性的な空想の頻度
・パートナーの有無や子どもの有無
・性的アイデンティティや学歴、宗教的背景
など、多様な項目を定期的に尋ねています。
膨大なデータを解析した結果、まず男女で明確な違いが浮かび上がりました。
女性の変化:「30代前半」でピーク、その後は緩やかに減少
女性の場合、19歳から30代前半までは年齢とともにマスターベーションの頻度がじわじわ増えていき、31歳ごろにピークを迎えました。
しかし、その後は徐々に頻度が減少していく傾向が見られたのです。
「30歳をすぎると、性的な自己表現や興味がやや落ち着いていく」
そんな傾向がうかがえますが、背景には仕事や育児、パートナーシップなど、人生のステージの変化が影響している可能性も考えられます。
男性の変化:「ずっと安定」、でも内側では波も
男性の場合はまったく違うパターンです。
19歳から50歳まで、マスターベーションの頻度はほぼ横ばい。全年齢で女性よりも頻度が高いという結果も改めて示されました。
ただし、性的な空想の頻度やパートナーの有無といった要素を加味して詳細に分析すると、男性の傾向にも細かな波がありました。
たとえば、性的な空想が少ないときほど、20代から30代半ばにかけて頻度がやや下がり、その後また増加するパターンも見えてきたのです。
「男性の自慰行為は安定しているようで、実は内面の状況や人生イベントに揺れ動いている」ことが、精密な分析から明らかになりました。