「自分の見ている世界」と「他人が見ている世界」は異なる
私たち人間は、それぞれが全く同じ目や脳を持っているわけではありません。
当然、それら目や脳が生み出す視覚にもいくらか違いが生じます。
「自分の見ている世界」と「他人が見ている世界」は同じではないのです。
自分の見ている赤色は、他の人から見ても同じ赤色なんだろうか? 同じ言葉で表現しているから齟齬がないだけで、実は違うものを見ているのではないか?
そんな疑問を抱いたことはないでしょうか? これは誰もが一度は感じる疑問だと言いますが、実際人によって色の見え方や感じ方は異なっている可能性があります。
では、どのような要素が見え方の違いを生じさせるのでしょうか。
例えば、男女の違いがあります。
これまでの発見では、「同じ色相を知覚するのに、男性は女性よりもやや長い波長を必要とする」と分かっています。
この違いにより、男性は女性に比べて、ミカンのオレンジ色がより赤く見ている可能性があるようです。
そして見え方の違いを生じさせる要因は、他にも多く存在します。
その中には、未だ明らかになっていない要因もあるはずです。
そこで今回、大塚氏ら研究チームは、新たな要素として生活パターンの違いに着目しました。
彼らは「朝型」と「夜型」の違いが、世界の見え方にどのような違いを生むか研究したのです。