偶然の出会いから生まれた歴史的映像
観察が行われたのは、ノルウェー北部にあるクヴェナンゲン・フィヨルド。
ニシンの群れを追ってシャチが集まるこの海域は、冬季になると観察のチャンスが増える場所として知られています。
2024年1月11日、市民科学者を含むスノーケリングツアーの一行が入り江で水中に入りました。
そのとき、2頭のシャチがスノーケラーのすぐ下をゆっくりと通り過ぎ、1分49秒にもわたる“キス”のような接触を繰り返したのです。
こちらが実際の画像。

観察はGoProカメラによって記録されており、頭を正面から近づけ合いながら、舌と舌を軽く触れ合わせたり、甘噛みのような動きをしたりする様子がはっきりと映っていました。
この行動は3回のフェーズに分かれていて、最初が10秒、次に26秒、最後に18秒ほど続きました。
その後、2頭は自然に離れて泳ぎ去ったといいます。
この珍しい行動は過去に飼育下のシャチでしか確認されておらず、野生での撮影は今回が世界初です。
しかも、同じような舌遊び行動は2013年にスペインのロロパーク水族館で、別の個体群によって記録されており、今回の記録と非常によく似ていたといいます。
実際のキス映像は次ページで。