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ショウジョウバエは13Gに耐え、7Gで10世代にわたって生き延びる / Credit:Canva, ナゾロジー編集
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ショウジョウバエは「13G」の”超重力”に耐える

2026.05.18 11:30:33 Monday

アメリカ、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の研究チームが、ショウジョウバエを地球の4倍、7倍、10倍、そして最大13倍の重力にさらしました。

13Gは、人間にとっては極めて危険なレベルの重力です。

それにもかかわらず、ハエたちは24時間の超重力実験を生き延びました。

さらに4Gと7Gでは、卵から成虫まで超重力下で育てる長期実験も行われ、一部の系統は10世代にわたって繁殖を続けました。

しかも4Gでは逆に活動量が増え、7G以上では活動量を落とす“省エネモード”のような反応まで見られたのです。

研究結果は2026年4月23日付で学術誌『Journal of Experimental Biology』に掲載されました。

Fruit Flies Survived Extreme 13G Hypergravity That Would Crush Most Humans https://www.zmescience.com/ecology/animals-ecology/fruit-flies-survived-extreme-hypergravity/
Hypergravity exposure leads to persistent effects on geotaxis and activity in Drosophila melanogaster https://doi.org/10.1242/jeb.251327

ハエに超重力環境を経験させるとどうなるのか

宇宙生物学というと、多くの人は無重力環境を思い浮かべるでしょう。

実際、これまでの研究の多くは「重力を失うと体に何が起きるか」に集中してきました。

しかし宇宙飛行士は、打ち上げや地球への再突入時に3〜4G程度の強い重力を受けます。

また戦闘機パイロットは、急旋回のたびにさらに高いGへ日常的にさらされています。

それにもかかわらず、「重力が強くなったとき、生物の体はどう変化するのか」は、意外なほど詳しく分かっていませんでした。

そこでUCRチームは、ショウジョウバエを使った“超重力実験”を行いました。

研究チームが用意したのは、直径30cmの円盤を高速回転させる自作の遠心装置です。

小さな試験管に入れられたハエたちは、回転による遠心力によって、まるで地球よりはるかに強い重力を受けているかのような状態になります。

研究では4G、7G、10G、13Gの4段階の環境が作られました。

そして研究チームは、ハエの「負の走地性」を利用して運動能力を調べました。

負の走地性とは、本能的に上へ登ろうとする性質のことです。

ハエを試験管の底へ落として登る速さを測ったり、刺激を与えずに自由に動かしたりすることで、運動能力や日常的な活動量を詳しく調べたのです。

では、24時間、それぞれの重力を経験したハエには、どんな変化が生じたのでしょうか。

次ページ4Gでは活発化、7G以上では沈静化した

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