炭水化物を減らす「ケトジェニック食」とは?
通常の食事では、脳は主にブドウ糖(グルコース)をエネルギー源としています。
しかし炭水化物の摂取量が大幅に減ると、身体は「ケトーシス」と呼ばれる代謝状態に入り、肝臓が脂肪を分解して「ケトン体」という物質を生成します。
これらのケトン体は血液脳関門を通過し、代替エネルギー源として脳に供給されます。
こうした食事を「ケトジェニック食」と呼びます。
ケトジェニック食は具体的に、炭水化物の摂取を大幅に減らし、代わりに脂肪を多く摂取するという食事法です。
これにより、体が糖の代わりに脂肪を燃やし、ケトン体という物質をつくって、これがブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源として働くのです。
ケトーシス状態になることで、体は効率よく脂肪を分解し続け、血糖値の急上昇や急降下を避けることができます。
それにより、集中力や精神的な安定感が高まるともいわれています。

では、どんなものを食べればケトーシスに入れるのでしょうか?
一般的に、ケトジェニック食のカロリー比は、脂肪が70~75%、タンパク質が20%、炭水化物が5~10%程度となっています。
このような食事によって、脂肪の酸化とケトン体の産生を促すことが狙いです。
例えば、ご飯やパン、麺類などの炭水化物は抜いてしまって、代わりに肉・魚・野菜、ナッツ類、チーズ、卵などを増やします。
またケトジェニック食では、砂糖を含むスナックやパン菓子なども完全に抜きます。
研究チームは今回、ケトジェニック食が脳の血流にどのような作用を与えるかを実験しました。