ビタミンDってどんな効果?テロメアと老化の関係とは?
人間の体は数十兆個の細胞からできており、それぞれの細胞には寿命があります。
その寿命を決める重要な要素のひとつがテロメアです。

テロメアとは、染色体の末端にあるDNAの繰り返し配列で、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていく構造です。
これが限界まで短くなると、細胞はそれ以上分裂できなくなり、老化や死に向かっていきます。
そのため、テロメアの長さは細胞の若さを示す指標とされています。
以前から、テロメアの短縮と加齢関連疾患(がん、心血管病、糖尿病など)との関連が指摘されており、テロメアの長さは生物学的年齢の指標とも言われています。
では、このテロメアを守ることはできるのでしょうか。
いくつかの観察研究では、ビタミンD血中濃度が高い人ほどテロメアが長い傾向があると報告されています。
ビタミンDには抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調整作用があり、それがテロメアの短縮をいくらか防ぐかもしれないのです。
しかし、これまでの研究は、短期間で行われたものばかりで結果がまちまちす。
つまり可能性はあるものの、そこまではっきりとした結論が出ていなかったのです。

そこで今回、MCGの研究チームは、大規模研究によってこの点を明らかにしようとしました。
この研究では、米国内の中高年男女25,871名(男性50歳以上、女性55歳以上)を対象にしました。
彼らには、5年間にわたって①ビタミンD(2000IU/日)、②オメガ3脂肪酸(1g/日)、③プラセボを、それぞれサプリメントの形で摂取してもらい、白血球テロメア長(LTL)に与える影響を調査しました。
その中でも1054名がテロメア研究の対象となり、より詳細なLTLデータが得られました。
LTLはベースライン(年0)、2年目、4年目の3回にわたり、厳密に測定されました。
研究チームは、これらのデータを用いてテロメア長の変化とサプリメント摂取の関係を解析したのです。
では結果はどうなったでしょうか。