画像
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

キルギスの湖に沈んだ「中世の都市遺跡」を発見

2025.11.20 12:00:44 Thursday

中央アジアの深い湖の底から、中世シルクロードの「失われた都市」が姿を現しました。

キルギス共和国のイシク・クル湖で、ロシア科学アカデミー(RAS)ら国際考古学チームが、13〜15世紀の建物跡や巨大な水瓶、そして広大なイスラム墓地まで発見したのです。

かつて東西交易を支えた都市は、15世紀初頭の大地震で湖の底に沈んだと考えられます。

Sunken city discovered in Kyrgyzstan lake was a medieval hotspot on the Silk Road — until an earthquake wiped it out https://www.livescience.com/archaeology/sunken-city-discovered-in-kyrgyzstan-lake-was-a-medieval-hotspot-on-the-silk-road-until-an-earthquake-wiped-it-out Archaeologists have Discovered a 13th–14th –Century Muslim Necropolis under the Waters of Lake Issyk-Kul https://rgo.ru/en/activity/redaction/news/archaeologists-have-discovered-a-13th-14th-century-muslim-necropolis-under-the-waters-of-lake-issyk/

湖底から現れた「中世の都市遺跡」

調査が行われたのは、キルギス北東部に広がるイシク・クル湖です。

標高1600メートルの高地にあるこの湖は、最大深度約700メートル、外洋に通じる河川を持たない塩湖として知られています。

2025年秋、国際水中考古学遠征が実施され、4つの水没地点が調査されました。

水深1〜4メートルほどの浅い場所から、まず見つかったのは焼成レンガで造られた建物の遺構です。

崩壊した壁の間には、石製の挽き臼も残されていました。

これは上下二枚で穀物を粉に挽く「石臼セット」の一部で、市場や工房などが存在した証拠になります。

【水中調査の様子の画像がこちら

さらに、外壁に装飾を施した建築部材も発見され、研究者たちはこれがかつてのモスク、浴場、あるいはマドラサ(イスラム学校)だった可能性を指摘します。

石造建築のほか、木製の梁も残されており、都市が多様な建築技術を持っていたことがうかがえます。

調査チームはこれらの建材に含まれる木材を回収し、年代測定にかけて都市の成立年代を正確に推定する計画です。

また、別の地点では中世の大型土器「クム(khum)」が発見されました。

水を保存するための高さ1メートルほどの巨大な壺で、完全な形のまま地中に埋まっています。

研究者たちは次のシーズンに引き上げ作業を行う予定としています。

次ページ13〜14世紀の巨大イスラム墓地も水中に

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!