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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

キルギスの湖に沈んだ「中世の都市遺跡」を発見 (2/2)

2025.11.20 12:00:44 Thursday

前ページ湖底から現れた「中世の都市遺跡」

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13〜14世紀の巨大イスラム墓地も水中に

最も注目を集めているのが、13〜14世紀に形成されたイスラム墓地の発見です。

水中に広がる約300×200メートルの領域には多くの墓が残り、発見された遺骨は北向きに横たえられ、顔はメッカのカーバ神殿の方向であるキブラへ向けられていました。

これはイスラムの伝統的な埋葬方法であり、この地域にイスラム文化が深く根付いていたことを示しています。

回収された遺骨は男女2名分で、今後、詳細な人類学的分析が行われます。

この地域は10世紀にはテュルク系のカラハン朝が支配し、人びとはテングリ信仰、仏教、ネストリウス派キリスト教など多様な宗教を実践していました。

しかし13世紀になると、モンゴル帝国から派生した遊牧政権「ジョチ・ウルス」の影響で、イスラムが急速に普及します。

チームは、この湖底墓地がまさにその時代の宗教変動を映し出す証拠になると述べています。

また、墓地の近くで発見された別の3つの遺骸は、より古い時代のものとみられ、都市の歴史が複数の層を持っていたことを示唆します。

さらに湖底の南部や西部でも、丸形や四角形の建物基礎、土壁遺構、埋没土壌が確認されました。

これらのサンプルを分析することで、都市がどのように発展し、そして水没にいたったのか、歴史の全体像が再構築される見通しです。

遠征を率いた研究者は、都市が水没した原因について「15世紀初頭の大地震によるもの」と述べています。

その時すでに多くの住民は移住していたと考えられますが、地震後に地域の人口構成が大きく変化し、豊かな都市文明が消滅したことは確かです。

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