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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

「小人症」だった1万2000年前の少女の遺骨を発見、イタリア

2026.01.29 18:00:54 Thursday

新たな国際研究で、イタリア南部の洞窟にて発見された石器時代の少女の遺骨を最新のDNA技術で分析した結果、彼女が希少な「小人症」を持って生きていたことが明らかになりました。

しかもこの発見は、人類史上で最古となる「遺伝性疾患のDNA診断」でもあるようです。

研究の詳細は2026年1月28日付で科学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載されています。

Teenage girl who lived in Italy 12,000 years ago had a rare form of dwarfism, DNA study shows https://www.livescience.com/archaeology/teenage-girl-who-lived-in-italy-12-000-years-ago-had-a-rare-form-of-dwarfism-dna-study-shows
A 12,000-Year-Old Case of NPR2-Related Acromesomelic Dysplasia https://doi.org/10.1056/NEJMc2513616

DNAが明かした「1万2000年前の少女」の正体

この研究の舞台となったのは、イタリア南部にあるロミート洞窟です。

1963年、この洞窟から石器時代の狩猟採集民9人分の遺骨が発見され、その中には抱き合うような姿勢で埋葬された2体の骨格が含まれていました。

研究者たちは、洞窟の名前にちなんでこれらを「ロミート1」「ロミート2」と呼んでいます。

【発見された少女の遺骨の画像がこちら

最新のDNA解析によって明らかになったのは、ロミート2が10代の少女であり、希少な遺伝性疾患を持っていたという事実です。

彼女が患っていたのは「マロトー型末端中間部形成不全症(acromesomelic dysplasia, Maroteaux type:AMDM)」と呼ばれる小人症の一種で、前腕や下腿、手足が極端に短くなるのが特徴です。

AMDMは、骨の成長に重要な役割を果たすNPR2遺伝子の両方に変異が生じることで発症します。

DNA解析の結果、ロミート2はこの遺伝子に異常なコピーを2つ持っていたことが確認されました。

身長は約110センチメートルと推定され、当時の狩猟採集社会においては、移動や日常動作に大きな制約を抱えていたと考えられます。

チームによれば、これは解剖学的に現生人類における遺伝性疾患のDNA診断として、これまでで最も古い例です。

1万年以上も遡る個人の遺伝子変異を、ほぼ確実に特定できた点は、医学史的にも画期的だといいます。

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