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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

3億年前の昆虫が巨大だったのは「酸素濃度」が原因ではなかった

2026.03.27 18:00:53 Friday

太古の地球では、翅(はね)を広げると横幅70センチにも達する巨大なトンボのような昆虫が空を飛んでいました。

約3億年前の石炭紀には、現代では考えられないほど巨大な昆虫が数多く存在していたのです。

その理由として長らく有力視されてきたのが「当時は大気中の酸素濃度が高かったから」という説明です。

しかし最新の研究により、この“常識”が大きく揺らいでいます。

南アフリカ・プレトリア大学(University of Pretoria)らの研究によると、酸素濃度の高さは主たる要因ではなかったことが示唆されたのです。

研究の詳細は2026年3月25日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。

Massive insect body size 300 million years ago may not have been due to high atmospheric oxygen https://phys.org/news/2026-03-massive-insect-body-size-million.html#goog_rewarded 300 Million Years Ago, Insects Were Enormous. That Stopped – And We’re Probably Wrong About Why https://www.iflscience.com/300-million-years-ago-insects-were-enormous-that-stopped-and-were-probably-wrong-about-why-82966
Oxygen supply through the tracheolar–muscle system does not constrain insect gigantism https://doi.org/10.1038/s41586-026-10291-3

巨大昆虫を生んだ「酸素濃度説」は正しいのか?

石炭紀の地球では、植物の大繁栄によって大気中の酸素濃度が現在より最大で約45%も高かったと考えられています。

この時代には、翼開長70センチメートルに達するグリフィンフライ(トンボに似た絶滅昆虫)や、45センチメートル級のカゲロウ様昆虫など、異様な巨大昆虫が存在していました。

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Credit: griffinfly credit: Estelle Mayhew, adapted from image by Aldrich Hezekiah. giant petaltail credit: Estelle Mayhew).

この事実から、生物学者たちは長年「酸素濃度が高かったから巨大化できた」と考えてきました。

その理屈はこうです。

昆虫は肺を持たず、代わりに体内に張り巡らされた「気管系」と呼ばれる管状の構造で酸素を体内に取り込みます。

この気管は枝分かれしながら体中に広がり、末端の「毛細気管(tracheole)」を通じて筋肉などの細胞に酸素を届けます。

しかしこの仕組みでは、体が大きくなるほど酸素の供給が追いつかなくなると考えられてきました。

つまり「ある大きさを超えると酸素不足で生きられない」という“サイズの上限”が存在し、その上限は大気中の酸素濃度によって決まるというわけです。

この考えは直感的にも分かりやすく、1990年代以降、ほぼ定説として受け入れられてきました。

ところが今回の研究は、この前提そのものに疑問を投げかけました。

次ページ「酸素は制限要因ではなかった」顕微鏡が示した意外な事実

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