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Credit: canva
technology

実在しないのに数百万フォロワーを持つ「インフルエンサー」が増加中

2026.04.02 07:00:12 Thursday

インスタグラムやTikTokを見ていると、あまりにも整いすぎた顔立ち、ぶれない世界観、そして毎回きっちり「刺さる」発信を続けるインフルエンサーに出会うことがあります。

ところが今、そうした人気者の中には、そもそも最初から「人間ではない」存在が混じり始めています。

代表例として知られるのが、インスタグラムで数百万人規模のフォロワーを持つバーチャルインフルエンサーたちです。

彼女たちはファッションブランドの広告塔になり、社会問題への支持を表明し、熱心なファンまで獲得しています。

しかし、その正体は人間ではなく、コンピューターで生成されたキャラクターです。

一見すると、これは「デジタル時代らしいユニークな現象」に思えます。

ですが今回の研究では、こうした存在は単なる珍しい話題ではなく、世界の文化がどのように作られ、広がり、管理されるかが変わりつつあることを示すサインだとされています。

研究の詳細は2026年2月16日付で学術誌『Fudan Journal of the Humanities and Social Sciences』に掲載されています。

The influencers with millions of followers who don’t actually exist https://phys.org/news/2026-03-millions-dont.html
Digital (Global) Capitalism and Re-Globalization https://doi.org/10.1007/s40647-026-00462-x

バーチャルインフルエンサーはなぜここまで強いのか

バーチャルインフルエンサーとは、人工知能やアニメーション技術、ブランド戦略を組み合わせて作られた、架空の人物です。

見た目は人間そっくりで、SNSでは実在のインフルエンサーと同じように活動します。

写真や動画を投稿し、企業とコラボし、フォロワーに反応し、ときには政治的・社会的な立場まで示します。

ただし彼らには、人間には避けられない「不安定さ」がありません。

体調を崩すことも、うっかり失言することも、突然イメージが崩れることもないのです。

発言も外見も更新頻度も、すべて設計できます。

こちらは米カリフォルニア州出身で、モデル活動をする音楽家(という体)のバーチャルインフルエンサー、リル・ミケーラ(Lil Miquela)のインスタグラムです。

フォロワー数は約250万人規模ですが、彼女はこの世に存在していません。

 

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ここが重要です。

バーチャルインフルエンサーの強みは、単に美しく作れることではありません。

プラットフォームのアルゴリズムに合わせて、最適な形で運用しやすいことにあります。

現在のSNSは、一定の頻度で、反応が良く、世界観がぶれず、拡散しやすい投稿を高く評価する傾向があります。

つまりアルゴリズムは、「人間らしい魅力」そのものより、「安定して成果を出せる発信」を好みやすいのです。

バーチャルインフルエンサーは、まさにそこにぴったりはまります。

たとえば実在の人なら、その日の気分や失敗、加齢、炎上リスクと切り離せません。

しかしコンピューター生成キャラクターなら、投稿内容も表情も服装も発言も細かく調整できます。

言ってしまえば、SNS時代に最適化された「崩れない広告塔」なのです。

その結果、アルゴリズムは単に人気コンテンツを選んでいるだけではなく、どんな人物像が広がりやすいかまで選別していることになります。

文化は人々の自然な交流だけで広がるのではなく、プラットフォームの仕組みに合った形へと削られ、磨かれ、流通するようになっているのです。

次ページ多様に見えて、実は同じ仕組みで動いている

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