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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

4億年前の巨大甲殻類とされた化石、実は「史上最大級のサソリ」だったと判明

2026.06.03 17:00:54 Wednesday

博物館の収蔵庫には、まだ正体のわからない化石が眠っています。

ラベルを付けられ、研究者の目に触れてきた化石であっても、時代が進み、技術や比較資料が増えることで、まったく別の姿を見せることがあります。

今回、そんな「眠れる謎」の一つが、史上最大級のサソリとしてよみがえりました。

ロンドン自然史博物館(NHM)などの研究チームは、4億年以上前のデボン紀に、現在のイングランドとウェールズ周辺に生息していた大型節足動物(学名:Praearcturus gigas)の化石を再調査

この化石は1871年、ワラジムシやダンゴムシに近い等脚類のような巨大甲殻類として記載されていました。

しかし最新研究により、その正体は全長約1メートルに達した巨大なサソリだったことが強く示されたのです。

研究成果は2026年6月2日付で古生物学誌『Palaeontology』に掲載されています。

415-Million-Year-Old Fossils Confirm The World’s Largest Scorpion Was A Meter-Long Apex Predator That May Have Hunted On Land And Underwater https://www.iflscience.com/415-million-year-old-fossils-confirm-the-worlds-largest-scorpion-was-a-meter-long-apex-predator-that-may-have-hunted-on-land-and-underwater-83697
A revision of Praearcturus gigas: a giant scorpion from the Lower Devonian (Lochkovian) of Britain https://doi.org/10.1111/pala.70064

150年以上「巨大甲殻類」と見られていた化石

プラエアルクトゥルス・ギガス(Praearcturus gigas)は、イギリスにある4億1500万年前のデボン紀の地層から知られている大型節足動物です。

この地層は河川性の堆積物であり、当時の水辺環境を記録しています。

ところが、この化石は長い間、何者なのかはっきりしませんでした。

最初に記載された19世紀には、巨大な等脚類、つまり甲殻類の一種のように考えられました。

その後、1980年代には一度、巨大サソリの可能性も指摘されましたが、標本が断片的だったこともあり、この見方にも疑問が投げかけられていました。

そこで研究チームは今回、タイプ標本と関連標本を改めて調査することに。

光学写真、断層撮影データなどを用い、化石における体の各部を現生および絶滅した節足動物と比較したのです。

その結果、P・ギガスにはサソリと判断できる特徴がいくつも確認されました。

特に重要なのは、固定指と可動指を備えた大きなハサミです。

この構造は、サソリの触肢に相当するものと考えられます。

【P・ギガスのハサミの化石画像がこちら

さらに、脚の基部には、現生サソリが体の一部をこすり合わせて音を出す発音構造と比較できる表面が見つかりました。

胸板の形も、シルル紀のサソリ(Eramoscorpius brucensis)と似ていました。

つまり、この化石は単に「サソリに少し似ている」だけではありません。

サソリとして解釈するための複数の形態的な手がかりが、同じ標本群からそろっていたのです。

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