1日の間に2年が過ぎる灼熱惑星を発見か──ガス巨星に異常な自転
1日の間に2年が過ぎる灼熱惑星を発見か──ガス巨星に異常な自転 / Credit: Keith Miller (Caltech/IPAC – SELab)
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1日の間に2年が過ぎる灼熱惑星を発見か──ガス巨星に異常な自転

2026.06.23 19:30:09 Tuesday

米国のカリフォルニア工科大学(Caltech)が主導した研究によって、ある灼熱の巨大惑星では、「1日」が終わる前に「2年」が過ぎ去っているらしいことがわかりました。

恒星のすぐそばを回る惑星は、常に同じ面を恒星に向けて自転と公転が一致する――つまり「1日=1年」になるのが当然と考えられてきました。

ところがこの惑星は自転があまりに遅く、恒星の周りを2周してようやく1回の自転が終わる――「1日に2年が過ぎる」状態にある可能性が示されたのです。

研究を率いたケッセリ氏は「長年研究してきた惑星でさえ、万能なモデルは通用しないことが分かってきました」と述べています。

この惑星ではいったい何が、自転をこんなにゆっくりにさせていたのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年6月15日に『arXiv』にて公開され、『The Astronomical Journal』に投稿されています。

Oddball exoplanet challenges what it means to be a hot Jupiter https://www.ipac.caltech.edu/news/oddball-exoplanet-challenges-what-it-means-to-be-a-hot-jupiter
Unraveling the Mystery of the Peculiar and Young Hot Jupiter CoRoT-2b II: Phase Resolved Emission Spectroscopy with VLT/CRIRES+ and Gemini-S/IGRINS https://doi.org/10.48550/arXiv.2606.17304

「いつも同じ顔を見せる」のが普通だった

「いつも同じ顔を見せる」のが普通だった
「いつも同じ顔を見せる」のが普通だった / Credit: Keith Miller (Caltech/IPAC – SELab)

これまでの観測により、太陽系以外の星系にも、数多くの惑星が存在することが明らかになってきました。

その中でホットジュピターと呼ばれる惑星たちは、木星と同じかそれ以上に大きな巨大ガス惑星でありながら、恒星のすぐそばを公転しているタイプとして知られています。

地球から太陽までの距離を1とすると、その30分の1以下――太陽から水星までの距離のさらに10分の1以下という、目もくらむような近さを、わずか1〜10日で1周してしまいます。

これだけ主星に近ければ、惑星の主星に近い側と遠い側とで重力の引っぱられ方に差が生まれ、その差が強く働くため、ほぼ例外なく恒星に常に同じ面を向ける「潮汐固定」と呼ばれる状態にあります。

月が地球に常にウサギ柄として知られる同じ面を見せているのと同じように、これら巨大ガス惑星たちも恒星に同じ面を向け続け、1回自転する間に1回公転する「1日=1年」という関係が常識だと考えられてきました。

左は潮汐固定されている場合、右はそうでない場合
左は潮汐固定されている場合、右はそうでない場合 / Credit: Keith Miller (Caltech/IPAC – SELab)

また潮汐固定されたホットジュピターは、片面だけが永遠に灼熱に焼かれ、もう片面は永遠の闇に閉ざされる、極端な世界になります。

さらに理論的な予測によれば、惑星の赤道に沿って強い東向きのジェット気流が吹き、昼側の熱を東へ押し流すため、いちばん熱い場所(ホットスポット)は恒星の真下よりも少し東側にずれるはずだ、とされてきました。

いわば惑星規模の「高速ベルトコンベア」が、昼側の熱を東へ東へと運んでいるイメージです。

実際、これまでに観測されてきた多くのホットジュピターは、この理論通りの姿を見せてくれていたのです。

ところが、CoRoT-2 bだけは違いました。

CoRoT-2 bでは、この一番熱い場所が、なぜか西へずれていました。

これは、ホットジュピターの大気循環の常識に真っ向から逆らう異常事態でした。

その後の再解析でも、CoRoT-2 bは「ホットスポットが明確に西側にずれている、唯一の堅実な例」として浮かび上がってきました。

他のホットジュピターは東にずれるか、ずれないかの二択。西へ振れた惑星は、CoRoT-2 bただ一つだったのです。

「なぜこの惑星だけ、こんなことになっているのか?」

これは天文学者にとって、放っておけない謎でした。

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