「ずれている」と思うだけで、満足度は下がっていた

触れ合いが心と体にいいことは、前から知られています。
手をつなぐ、抱きしめる、キスをする。
こうした行いはストレスを下げ、免疫のはたらきを支え、安心感を育てると言われてきました。
逆に、ほしいだけの触れ合いが得られないと、関係への不満や、相手との距離を感じることにつながります。
調べたのは、その触れ合いへの心地よさが二人でずれていたらどうなるか、でした。
研究チームは、恋人がいる1832人にオンラインで答えてもらいました。
たずねたのは、自分は触れ合いをどのくらい心地よく感じるかです。
あわせて、相手はどのくらい心地よく感じていると思うかも答えてもらいました。
この2つを、家などの二人だけの場と、人前の2つの場面について聞いています。
人前には、家の中にはない気づまりがあります。
家族や友人、知らない人の目がある場所では、二人きりのときと同じように振る舞えるとはかぎりません。
そこから、二人の心地よさの平均と、自分と相手の差を出しました。
比べた相手は、関係の質をたずねた回答です。
信頼、親しさ、情熱、そして全体の満足。これらをまとめた物差し。
まず、平均が高いほど関係の良さも高い、という関連がはっきり出ました。
二人だけの場でも人前でも、向きは同じです。
そして差のほうは、大きいほど関係の良さが低いという、逆向きの関連になりました。
自分は触れ合いが好きなのに、相手はそうでもないと思っている。
そう感じている人ほど、満足度が低い傾向があったのです。

ここで一度、立ち止まってください。
測ったのは「実際にずれているか」ではなく、「ずれていると思っているか」です。
相手の心地よさは、本人の答えではなく、こちらの推測でした。
つまりこの段階では、二人の答え合わせはまだ行われていません。
では、なぜそのずれは、人前でとくに響いたのでしょうか。

























