脳のけがと骨の、ちょっと奇妙な関係

外から加わった衝撃などで脳が傷つくことを「外傷性脳損傷」と呼びます。
この外傷性脳損傷には、脳とは別の場所で起きる、少し不思議な現象が知られています。
それは、脳にけがをすると、骨の治りが早まるというものです。
さらに外傷性脳損傷は、本来は骨ができないはずの場所に骨ができてしまう「異所性骨化」も引き起こします。
脳のけがは、遠く離れた骨にまで影響を及ぼしているわけです。
ここから、研究チームは一つの疑問を抱きました。
脳が骨に影響を与えるのなら、逆に、傷ついた脳が骨から何か恩恵を受けることもあるのではないか、という疑問です。
骨というと、体を支える硬い「柱」のようなイメージが強いかもしれません。
しかし、もし骨の側から脳に働きかけられるなら、脳のけがを治す手がかりが脳の外に見つかるかもしれません。
そこで研究チームが用いたのが「DCTAL(動的圧縮脛骨軸方向負荷)」と呼ばれる方法です。
脛骨(けいこつ)とは、いわゆる「すねの骨」のことです。
DCTALでは、この脛骨に、骨の長さの方向に沿って動的に押し縮める力を加えます。骨を圧縮する刺激を再現するモデルです。
たとえるなら、すねの骨を両端から挟んで、ぎゅっと押すような刺激です。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(傷の回復を電気刺激で25%速くする「スマート絆創膏」を開発!)
研究チームはこの刺激を、脳卒中や外傷性脳損傷を起こしたマウスと、外傷性脳損傷を起こしたブタに試しました。



























