3つの亜種の解析に含まれていなかった「変わり者」のクジラ

ザトウクジラは、これまでの遺伝子の研究から、3つの亜種(同じ種の中を、さらに細かく分けたグループ)に分けられてきました。
北大西洋のグループ、南半球のグループ、北太平洋のグループの3つです。
ところが、この仲間分けのもとになった解析には、アラビア海のザトウクジラの試料が含まれていませんでした。
アラビア海のザトウクジラは、一部では「世界で最も変わったザトウクジラの集団」とも見なされています。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(現存する「最古のザトウクジラの声」の音源を発見)
ほかの集団が季節に合わせて南北へ大移動するのに対し、この集団は一年じゅう熱帯や亜熱帯の海にとどまって暮らしているのです。
さらに、アラビア海でしか聞かれない歌を歌うことでも知られています。
歴史の記録や行動の観察、過去の遺伝子の研究からも、この集団はほかから離れて同じ海に住み続ける、独立したグループだとみられていました。
そこで研究チームは、オマーンで集めた試料を、すでに認められている3つの亜種と比べることにしました。
比べたデータは、世界の海のザトウクジラと合わせて2285頭分にのぼります。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(太平洋を横断して広まるザトウクジラたちの大ヒットソングを発見!)
あわせて、イラクの標本も、体の形と遺伝子の両方から調べ直しました。この標本は、「メガプテラ・インディカ」という学名(生き物の世界共通の名前)のよりどころになっているものです。




















