フォボスを使って火星の周りに荷電粒子のリングを作る
火星にはフォボスとダイモスという2つの月があります。
今回着目しているのはこの2つの月のうち、火星に近い軌道を回る大きい月「フォボス」です。
火星を包む人工的な磁場を作ろうとした場合、火星の地上や軌道上に強い荷電粒子の流れを生み出す必要があります。
研究チームはその荷電粒子の流れを、このフォボスの表面の粒子をイオン化させ加速して放出することで、プラズマトーラスを形成するという方法を提案しました。
フォボスは非常に火星に近い場所を回っていて、約8時間で火星を1周します。
そのため、フォボスの軌道に沿ってプラズマのトーラス(ドーナツ状の環)を形成するこの方法は、火星を保護するのに十分な強さの磁場を形成できる可能性が高いのです。
かなり大胆でとんでもない計画ではあり、技術的なハードルが高いことは確かですが、これはアイデアとして非常に興味深いものでしょう。
このアイデアを試すのはまだ先のことでしょうが、こんな風に火星を磁場で保護する方法もあるということは、知っているとSF作品を楽しむ際に役立つかもしれません。