その情報を知るべきか? 無視するべきか?
現在ネット上には、嘘かホントかわからないさまざまな情報が氾濫しています。
もちろんこの記事の情報についても、今あなたは読み進めながらこれを知識として獲得するか、無視するかを判断しているでしょう。
「興味ないな」と感じれば、読むのをやめて記事を閉じてしまうかもしれません。
この場合、あなたは目の前にある情報の獲得を回避したことになります。
ニュースサイトやツイッター、ブログでも、トピックから詳細へ導くリンクはたくさん並んでいます。
このときも、あなたはそれを開いてより詳しい情報を獲得するか、スルーして情報の獲得を回避するか判断するはずです。
では、人々はそうした情報の取捨をどうやって行っているのでしょうか?
今回、そうした問題を研究したUCLの認知神経科学者ターリ・シャーロット(Tali Sharot)教授は、次のように述べています。
「私たちが知りたかったのは、人はどのようにして知りたいことを決めるのかということです。
現在、膨大な量の情報が個人に提供されています。
新型コロナワクチンや金融格差、気候変動などについて、積極的に情報を求める人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか。
人々がどうやって情報の取捨選択をするのか、よりよく理解することができれば、人々は納得して自身の教養を高めていくことができるでしょう」
これを明らかにするために、今回の研究チームは、543人の参加者を対象に5つの実験を行い、情報探索に影響を与える要因を調べました。
ある実験では、アルツハイマー病リスクを高める遺伝子や、免疫を高める遺伝子など、自身の健康に関わる情報の興味度を調査しました。
また、別の実験では、為替レートや所得分布など、金融情報に関する興味、さらに別の実験では、家族や友人が自分をどう評価しているか知りたいか、ということを調査しました。
これらはアンケートを主軸に調査されました。
その後、参加者には、情報がどのように役立つと思うか? 自分が獲得する情報について同感じたかを予想してもらい、またそれぞれにテーマについて普段考える頻度などを質問しました。
こうした調査の結果、人の情報探索には、主に3つのタイプがあるということが判明したのです。
では、あなたがどのタイプに当たるのか考えながら、実験結果を見ていきましょう。