ワイヤレス給電で飛ぶ昆虫型ドローン
ワイヤレス給電で飛ぶ昆虫型ドローン / Credit:尾崎 貴志(豊田中央研究所)_Nature Electronics
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ワイヤレス給電で稼働する昆虫型ドローンを開発(豊田中央研究所)

2021.12.16 Thursday

無人航空機であるドローンは、現在でもエンタメや農業、調査などに幅広く利用されています。

もし手のひらよりも小さいドローンが開発されるなら、さらに幅広い分野で活躍してくれるに違いありません。

ところが小型ドローンは重いバッテリーを積めないので、稼働時間が非常に短いという欠点があります。

こうした背景にあって最近、豊田中央研究所の尾崎 貴志(おざき たかし)氏ら研究チームが、昆虫サイズの羽ばたくドローンを開発しました。

しかも電磁波を用いたワイヤレス電力伝送により、電池なしで離陸できます。

研究の詳細は、11月25日付の科学誌『Nature Electronics』に掲載されました。

A new untethered and insect-sized aerial vehicle https://techxplore.com/news/2021-12-untethered-insect-sized-aerial-vehicle.html 当社の尾崎貴志らによる「電磁波無線送電により飛行する昆虫スケール羽ばたきロボット」に関する論文が、Nature Electronicsに掲載されました。 https://www.tytlabs.co.jp/cms/news/topic-20211126-2073.html
A wireless radiofrequency-powered insect-scale flapping-wing aerial vehicle https://www.nature.com/articles/s41928-021-00669-8

昆虫のように羽ばたく高効率ドローン

現在、電磁波を用いたワイヤレス給電はさまざまな製品で実用化されています。

研究チームの目的は、小型飛行ロボットにこのワイヤレス給電を適用することでした。

しかし、いくらワイヤレス給電を導入できたとしても、その受電装置が重ければ「小型」という目標を達成できないでしょう。

手のひらサイズのワイヤレス給電ドローン
手のひらサイズのワイヤレス給電ドローン / Credit:尾崎 貴志ら(豊田中央研究所),Nature Electronics(2021)

そのためチームは、重量に対する出力の割合が非常に大きい受電装置をベースに開発を進めました。

この特殊な受電装置は4900W/kgという数値をもっており、既製のリチウムポリマー電池の5倍の効率を誇ります。

そしてこれらを利用した結果、手のひらに収まる昆虫型ロボットの開発に成功しました。

ドローンの総重量はわずか1.8gであり、電磁波送電型飛翔ロボットとしてはこれまでより25倍以上軽い「世界最軽量の機体」だと言われています。

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