網膜の年齢が実年齢より1歳高くなるごとに、死亡リスクが2%増
長期にわたるモニタリング期間を設定したのは、データの登録者の死を期待していたからです。
こういうと聞こえは非常に悪いですが、大規模な調査ではモニタリング期間を設定すれば必然的に死者が発生します。
チームはその必然を利用したに過ぎず、倫理的な問題はありません。
結果、モニタリング期間に設定された期間で全体の5%にあたる1871人の参加者の死亡が確認されました。
チームは、死亡が確認された参加者の網膜データを再度分析。
すると興味深い事実が判明しました。
実年齢よりAIが網膜データから予測した年齢の方が高い参加者(実年齢に比べて網膜が古く見える参加者)は、死亡リスクが高くなっていることが判明したのです。
具体的には、AIの予測年齢と実年齢の差が1年増えるごとに、あらゆる原因での死亡リスクが2%高くなりました。
また、心血管やがん以外での死亡リスクは、年齢差が1年増えるごとに3%増加することが分かっています。
さらに、AIの予測した年齢と実年齢の差が大きい場合(たとえば、37歳なのに網膜年齢57歳という極端な場合)、心疾患やがん以外での死亡リスクが49~67%高くなることが示されました。
これらの結果は、AIが網膜を見るだけで実年齢を当てられるだけでなく、一般的な生物学的年齢から逸脱して老化している人は、早期死亡のリスクが高いことを示します。
しかし、より興味深い点として、AIが一体何を根拠に画像から寿命を予測しているかが不明なことがあげられます。