現地に適用して飲料水を生み出す「ワルカタワー」
考案されたワルカタワーは、現地の人々がもつ技術と、地元の自然素材を用いて建設できるようになっています。
またコンピュータで作成された構造設計はオープンソース化されているため、世界中の村や集落のニーズに合わせて調整することも可能です。
そして最初にワルカタワーが建設されたのは、エチオピアの村ドルゼです。
このワルカタワーは、ポリエステル素材のメッシュと、それを支える竹フレームで構成されています。
非常にシンプルな構成であり、空気中の水分が物質の表面に凝縮する現象「結露」を利用します。
蜘蛛の巣に結露した朝露を見たことがあるでしょう。
同様の現象を利用することで、空気中から飲料水を得ているのです。
さらにこのメッシュは雨や霧からも水を捉えて、タワー下部の漏斗に流し落とせるようです。
また、このワルカタワーは高さが12mもあるものの非常に軽く、全体で80kgしかありません。
簡単な構造のため、電気工具や足場を使わずに建設可能なのです。
実際、ドルゼ村に建設されたワルカタワーは、たったの1日で完成しました。
ちなみに、ワルカタワーの名前の由来は、現地に生育する「ワルカ(学名:Ficus vasta)」という大きなイチジクの木です。
現地での適用を目的としたウォータータワーにはぴったりの名前だと言えますね。
さて、ワルカタワーは2015年にドルゼ村で建設されてからも、バージョンアップを続けています。
そしてこれまでにカメルーンやハイチなどでも最新版のワルカタワーが建設されてきました。
今後もワルカタワーの技術は、「現地の人が自分たちで飲料水を得る手段」として、世界中に広まっていくでしょう。
わかりやすかったです ありがとうございます
また拝見さしていただきます
素晴らしい