ASMRは脳の感度を高める
ASMR「自律感覚絶頂反応」は現在、ネット上で最も人気が高いコンテンツの1つとなっています。
ASMRは、耳元で鳴る物音やささやき声によってゾワゾワ感を誘発します。
この感覚は、人によってはまるで絶頂したときに近い、チリチリとした脳の痺れを伴うため、少なくない人々がリピーターとなって、自らの聴覚に対して繰り返しの刺激を求めるようになるのです。
ただ、これは「試したことあるけど何も感じなかった」という人も多いかもしれません。
自己調教のようにASMRにハマっていく人と、そうでない人には、実際どのような感覚の違いがあるのでしょうか?
そこで今回、エセックス大学の研究者たちは複数の研究結果を統合・分析することで、ASMRと人間の感覚の関係を探ることにしました。
結果、ASMRの愛好家たちはそうでない人々に比べて、外部刺激に対して遥かに高い感覚感度を持つことが判明します。
またASMR愛好家たちは身体認識能力も高く、内部感覚に対しても敏感であることが示されました。
(※たとえばASMR愛好家たちは自らが快感を感じているとき、自分の体がどうなっているかを認識する能力が高くなっています)
また研究者たちが開発した感度測定テストを使用すると、ASMRの愛好家たちの56%が「高感度」に分類される一方で、ASMRと無関係に生活している通常の人々の場合「高感度」に分類されるのは30%ほどであることが示されています。
この結果からも、ASMR愛好家が普通の人々に比べて高い感度を持つ(敏感である)ことがわかります。
次のページでは、ASMRを親密な対人関係のシミュレーションに組み込んだ効果が検証されます。