ドミノが「後方に滑る」動画がきっかけに
ドミノ倒しは子供でも楽しめる単純な遊びですが、メカニズムについては、まだ完全に解き明かされていません。
そこで科学者たちは、ドミノ倒しの現象を物理学的に説明しようとしてきました。
例えば、YouTubeで動画配信しているエンジニアのダスティン・サンドリン氏は、2017年にドミノ倒しの実験動画を公開しています。
その中では、ドミノの倒れ方が床の素材で変化すると報告されました。
滑りやすい(摩擦が小さい)床に並べたドミノは、滑りにくい床に並べたドミノに比べて、後ろに滑りながら倒れる傾向があったのです。
とはいえサンドリン氏の実験では、これらの要素が、ドミノ倒しのスピードにどのような影響を与えるか解明するには至りませんでした。
ところが最近になって、この動画に着目したデイビッド・カンター氏が、摩擦とドミノが倒れる速度の関係性を解明しようと考えました。
彼の研究チームは、200個のドミノを使ったシミュレーションを1210回行って、ドミノ倒しの物理学を追求したのです。