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世界最速の瞬間湯沸器、わずか0.000 000 000 000 075秒で100,000℃を達成 (2/3)

2018.05.30 Wednesday

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世界最速瞬間湯沸器の仕組み

今回の最速湯沸器システムは、一見従来のマイクロ波の方法と似通った仕組みです。まず、電磁波(この場合はX線)が水の本体に照射されると、そのエネルギーは速やかに水分子に吸収されます。しかし、ここからが違います。通常の方法だと、分子がただ強く揺さぶられるだけです。

X線によって温度が速やかに上昇すると、分子中の電子は原子核が保持できないほど励起します。そうなると、電子は原子から弾き出され、プラスに荷電した1対の水素と酸素の粒子が残ります。この過程は水の中でランダムに繰り返され、プラス電荷の急激な増加が起こります。高熱の水の中のプラス電荷はお互いに激しく反発しあい、それぞれを逆方向に押し出します。その結果、開放された巨大なエネルギーが熱となるのです。

そして75フェムト秒(0.000 000 000 000 075秒)以内に、水は液体からプラズマに変わります。プラズマとは、原子から電子が引き離され、電荷を帯びた気体的な状態のことです。しかし、その変化が急速すぎるため、通常の加熱法のように蒸気へと沸騰するチャンスがありません。つまり、プラズマでありながら密度は液体の水のままなのです。その特徴は太陽や木星のガスのプラズマに似ていますが、密度は低く、同時に地球の核よりも熱いのです。

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