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Credit: canva,ナゾロジー編集部
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AIに物理法則を学習させたら「未知の物理変数」で現象を表現する! (2/3)

2024.11.02 Saturday

前ページAIは人類が知覚できない「物理変数」を認識している

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未知の運動でもAIは変数を認識できた

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左:空気で踊る人形型チューブ、真ん中:ゴムボールを浮かべたラバーライト、右:炎 / Credit:Columbia University . Columbia Engineering Roboticists Discover Alternative Physics

未知の運動にAIはどんな法則を見出したのか?

答えを得るため、研究者たちは上の図のような「空気圧で踊る人形」「ラバーライト」「炎の揺らめき」など、人類がまだ知らない(気にも留めなかった)運動法則をAIに学習させ、変数を求めさせました。

結果、AIは「空気圧で踊る人形」には約8個、「ラバーライト」にも約8個、そして「炎の揺らめき」には約24個の変数を使った法則を見出していることが判明します。

またAIが構築した法則を用いてそれぞれの運動をシミュレートしたところ、かなり正確な予測が得られることが判明します。

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AIが認識する変数をもとにシミュレートされた炎は現実と同じような挙動をみせる / Credit:Columbia University . Columbia Engineering Roboticists Discover Alternative Physics

たとえば上の図では、AIの認識した変数を使って、現実の炎の揺らめきによく似た動きを辿れることを示しています。

この結果は、AIが認識した変数が決していい加減なものではなく、現実の物理現象を高い精度で再現できる意味のある数値である可能性を示します。

また既知の運動においてAIが予測した変数は人類の知る変数の個数と近似していることから、「空気圧で踊る人形」「ラバーライト」「炎の揺らめき」の運動法則の変数も、人類が認識できる変数の数に近いと推測されます。

ではAIの認識した変数が本当に意味のあるものならば、人類にとってどんな恩恵があるのでしょうか?

この疑問に対して研究者たちは「AIの認識した変数を理解することができれば、既存の方程式をより効率的なものに塗り替えられる」と述べています。

研究者たちは、現在の人類が使用している方程式の多くは効率的とは言えない変数を用いている可能性があり、いくつかの物理現象の理解に苦労する原因になっていると考えているようです。

次ページありふれた物理法則の「裏の顔」が明らかになる

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