ありふれた物理法則の「裏の顔」が明らかになる
この研究によって、私たち人類が唯一無二と信じていたいくつかの物理法則が、複数の表現方法の1つでしかない可能性が示されました。
研究者たちは、もし知的なエイリアンがいたら、彼らは私たちと異なる概念に基づく変数を用いて、異なる物理法則の表現をしている可能性があると述べています。
また今回の研究に用いられた手法は、単純な物体の運動だけでなく他のあらゆる種類のデータソースにも適用できるとのこと。
そのため新たなAIは、未知の物理現象の解明にも役立つ可能性があります。

これまで開発された「物理現象を自力で発見するAI」の多くは、変数そのものが事前に設定されているときのみ、観測結果から物理法則を抽出できるタイプであるため、変数そのものが不明な未知の物理現象に対しては十分に働かない可能性がありました。
しかし観察結果から変数そのものを自力で検出できるAIがあれば、人間の科学者の理解を助ける有用なツールとなると考えられます。
研究者たちはこの結果を受けて、AIにより認識された変数と既知の物理量で表現するための別のAIを開発していくとのこと。
もしかしたら100年後の未来には、ノーベル賞がAI搭載のロボットに総なめされているかもしれませんね。
※この記事は2022年7月に掲載したものを再編集してお送りしています。
AIが認識する変数の小数点以下の意味するところは何ですか?
推測ですが、AIが認識する変数の小数点以下は、ある変数が実験の事象にかかわるのが確率的だからなのではないでしょうか?
AIはドット単位でものを見てるだけじゃなくて?
人間も細かい粒の集合体でみてるけど、脳が処理してひとつひとつに明確な線引をしていないからかも
二重振り子の運動について云えば、当該記事の筆者の方はこれが一般にカオス現象(予測不可能)であることに言及すべきだと思います。しかしながら運動の実際と予測との比較動画は、それを否定しています。その要因は、予測モデルの変数が4から4.71(なぜ整数でない?)に増えたことすなわち、新たな運動の拘束条件が付加されたことによるものと思われます。では何故、拘束条件が増えたかと考えると、AIすなわちニューラルネットワークの学習に用いる教師データセット数が有限にならざるを得ないことに起因しているのではないでしょうか。AIが定めた変数(運動パラメータ)は、大雑把に云えば、運動を近似する関数(相関式)を定義するためのパラメータに過ぎず(例えば近似関数を多項式とした場合の係数とか)、そもそも意味付けのできないものと思われます。