石製の「大人のオモチャ」を使ってサルが自慰をしていると判明!
これまでの研究により、ウマ・シカ・パンダ・ヤマアラシ・セイウチ・コウモリ・鳥など霊長類以外のさまざまな種で自慰行為が確認されています。
高度な知能を有する動物たちにとって性は繁殖を行うためだけに植え付けられた本能ではなく、快楽を楽しむための手段にもなっていたのです。
また2016年に行われた研究では、チンパンジーが果物のカケラを用いて自慰行為を行っている様子が確認されています。
2018年には上の図のように、チンパンジーが人間が捨てたペットボトルを使って自慰行為を行っている様子など、道具を用いた自慰行為が確認されています。
これまでの研究によりチンパンジーには石をつかって木の実を砕いて中身を食べるなど、「食欲」のために道具を使用することが知られていましたが、「性欲」のためにも道具を使っていることが判明したのは大きな驚きでした。
そこで今回、レスブリッジ大学の研究者たちは、インドネシアのバリ島に生息するカニクイザルたちの行動を調べ、道具を用いた自慰行為が他にもみられないかを調べることにしました。
すると驚いたことに、カニクイザルたちは石を用いた自慰を行っていることが判明しました。
オスの場合は上の動画のように、陰茎に1つまたは複数の石をリズミカルに擦りつけたり、ジャラジャラと叩きつけるようにして刺激を行います。
一方メスの場合は上の動画のように、下腹部の下に石を配置して女性器を擦り付けていました。
またカニクイザルたちが自慰に使用している石を調べたところ、メスが使用する石はオスにに比べて、より表面が荒く、より角ばった石を使用することが判明します。
さらにカニクイザルたちが遊びで使う石などと比較を行ったところ、オス・メスともに自慰に使う石は、数・大きさ・表面の粗さなどの変動幅が少なく一定の数値に収束する傾向があることが判明しました。
この結果は、カニクイザルが自慰に使う石は、遊びに使う雑多な石に比べて「厳選」が行われ、特定の(好みの)形状のものが多用されていることを示します。
しかしカニクイザルは研究対象として比較的メジャーな動物であるのに、なぜこれまで石を使った自慰が報告されていなかったのでしょうか?