世界の携帯電話を変えた「iPhone 1」ってどんなスマホだったの?
初代のiPhone(非公式にはiPhone1などと呼ばれる)は、現在と同じく、その洗練されたデザインと斬新なアイデアで世界中の人々を魅了しました。
2007年1月、Appleの創設者であるスティーブ・ジョブズ氏は、「本日、Appleが電話を再発明します」と宣言し、iPhone1を発表したのです。
このプレゼンで、物理ボタン・キーボードを取り除いた画面だけのモバイル機器「iPhone」が紹介されました。
当時ガラケーを利用していた人々は、iPhoneの洗練されたデザインに衝撃を受けました。
タッチパネル式のスマホが登場したのは、このときが初めてではありません。
しかしiPhoneの登場が、世界中の携帯端末を現代の姿に大きく変化させました。
多くの企業がiPhoneのスタイルに倣ったスマートフォンを開発することになり、早い段階で現在のように、iPhoneのスタイルこそが「新しい携帯電話のスタイル」となったのです。
では、最初に発売されたiPhone1にはどんな機能があったのでしょうか?
まず発売当初の容量は4GBもしくは8GBでした。
現代ではすぐに容量がいっぱいで使えなくなるレベルです。
4GBバージョンは、499ドル(当時で約5万8000円)で販売されました。
最新機種のiPhone14Proが999ドル(現在で約15万円)であることを考えると、性能の向上とともに、大きく値上がりしていると分かりますね。
そしてiPhone1の際立った特色は、複数の指で画面操作できる「マルチタッチ」でした。
既存のタッチパネルのほとんどが1本の指でしか操作できなかったため、「2本の指で画面を拡大したり縮小したりする」テクニックは話題を呼びました。
多くの人がiPhone1の提供する「直感的な操作」に感銘を受けたのです。
またiPhone1には前面カメラが無く、背面カメラの画素数もわずか200万画素でした。
こちらもiPhone14Proの4800万画素と比べてしまうと、とても質素な性能に思えてしまいます。
とはいえiPhone1は当時、あらゆる面で革新的であり、2007年にはアメリカのニュース雑誌「タイム」で年間最優秀発明品に選ばれるほどでした。
全世界では610万台以上を販売。Appleで最も成功した製品となったのです。
現在の高校生はもうiPhone1を見たことがない世代という世代でしょう。
その存在はもはやレトロ製品であり、オークションでは、未開封のiPhone1が3万9000ドル(約600万円)で落札されています。
グローバル電子商取引企業「eBay」によると、iPhone1は世界で3番目に高い「レトロ携帯電話」なのだとか。
今でも熱狂的なファンがいるiPhone1。
次にiPhone1のように世界を変える存在となる製品は、どのようなものになるのでしょうか?