自閉症の人は「マンガキャラの感情読み取り能力」が常人より優秀と判明!
自閉症の人は一般に、他人の感情を認識する能力が低いと表現されています。
普通の人は会話中の目線や表情の変化から相手の感情を鋭く検知できますが、自閉症と診断されたほぼ半数にあたる人々は、それが困難となっているからです。
しかし近年の研究により、自閉症の人は単に感情を認識できないのではなく、通常の人とは異なる方法で認識している可能性が示唆されるようになってきました。
実際、自閉症の子供は人間の感情を認識する能力が低い一方で、犬の感情を予測するテストでは、健康な子供との間に目だった正答率の差がないことも報告されています。
もし自閉症が本当に感情認識能力を失わせる障害ならば、犬の感情を予測するテストにも健康な子供との間に大きな差が出るハズです。
そこで今回、エッジヒル大学の研究者たちは自閉症と診断された98人と健常者98人に対して「人間の目の写真」と「マンガキャラの目の画像」の両方をみてもらい、目がどのような感情を現わしているかをあててもらう実験を行いました。
すると「人間の目の写真」にかんしては自閉症と健常者の間で特に着目するべき結果はありませんでしたが、「マンガキャラの目の画像」にかんしては、むしろ自閉症の人のほうが正確に感情をあてられることが判明したのです。
感情認識において自閉症の方が健常者より正答率が上がるというのはかなり意外な結果です。
これは、自閉症の人々はマンガキャラに対する感情認識能力が普通の人に比べて強化されていることを示します。
研究者の1人であるAtherton氏は「自閉症の人々はアニメキャラだけでなく、ロボット・人形・動物・ネットゲームのアバターなど擬人化された広範な存在に対して、普通の人間よりも強く共感している可能性がある」と述べています。
そうなると気になるのが理由です。
なぜ自閉症の人は、普通の人より擬人化された存在に共感できるのでしょうか?