「雌雄の差」と「成長曲線」から推測できる最大のTレックスとは?
研究チームは、Tレックスの個体数や平均寿命を調査し、性的二形に基づく体格のバリエーションを考慮しました。
そして「性的二形の要素がゼロ」のケースと、「強い性的二形」を示したケースの2パターンを作成。
後者の「強い性的二形を示したモデル」では、最大24トン(2万4000kg)のTレックスが存在するという結果が出ました。
しかしこの極端なモデルが正しければ、これまでにもっと大きな個体が見つかっているはずです。
それゆえ極端なモデルは却下されました。
それでも研究チームは、これらのデータを使用してTレックスの生涯にわたる成長曲線をモデル化し、成体がどれだけ大きく成長するかを予測しました。
その結果、最大のTレックスは15トン(1万5000kg)だと推定され、これは記録上最大のスコッティよりも70%大きかったことになります。
性的二形の極端なモデルほど大きくありませんが、それでも私たちがこれまで想像してきた「一般的なTレックスのほぼ2倍」のサイズです。
もちろん、マロン氏が「これは単なる数字を使った思考実験に過ぎません」と述べているように、本当のところは化石が発見されるまで不明のままです。
それでも、Tレックスの個体差が示す可能性は、私たちをこれまで以上にワクワクさせてくれます。