人間の赤ちゃんを栽培する「ベビーファーム」
たくさんの赤ちゃんを人工子宮で管理するという恐ろしいコンセプトムービーが公開されました。
カプセルに入った赤ちゃんが並べられている映像は、SF映画「マトリックス」の人間発電所を彷彿とさせます。
この映画では人間が機械に支配された世界を描いており、人間が農場で栽培され電池として扱われていました。
アルガイリ氏が考案したベビーファーム「EctoLife」の理念は、「妊娠・出産に伴う痛みや危険を無くし、不妊症のカップルをサポートする」ことにあるため、マトリックスの世界とは異なるようです。
では、考案されたベビーファームではどのようなことが行われるのか、詳しく見てみましょう。
まず大前提として、ベビーファーム「EctoLife」の動画は、現状では科学的にも倫理的にも実現が難しい「SFムービー」として捉えるべきです。
分子生物学者であるアルガイリ氏は、ベビーファームの動画を「50年以上にわたる世界中の科学研究に基づいて作成した」と述べていますが、実際にEctoLifeを建設する計画はなく、「現状から推定した未来のSF技術」と言うべきでしょう。
コンセプトムービーによると、EctoLifeでは人工子宮装置によって年間3万人の赤ちゃんを育てることができます。
カプセル内は人工羊水で満たされており、人工へその緒を通して施設中央のバイオリアクターから栄養素と酸素が供給されます。
また赤ちゃんが排出する老廃物は2つ目のバイオリアクターでリサイクルされ、有用な栄養素として再利用されるようです。
さらにカプセル内はAIシステムによって絶えず監視されており、心拍数、体温、血圧、呼吸数などの情報がリアルタイムで得られます。
そして赤ちゃんの親は、アプリを通してカプセル内の様子を確認したり、カプセル内のスピーカーを通して話しかけたりできます。
赤ちゃんとの距離が物理的に離れていても、胎児に親の声や音楽を聞かせることができるのです。
さらに遺伝子編集ツールによって赤ちゃんの肌・目・髪の色、体力・身長・知能レベルを操作し、遺伝疾患を無くすこともできるのだとか。
十分に成長した赤ちゃんは、ボタンを押すだけですぐにカプセルから取り出せます。出産に伴う痛みとは無縁なのです。
このベビーファームの動画が公開されると、賛否両論、多くの議論を巻き起こしました。
今のところ1つSFとして捉えるべきものですが、もしかしたら少子化問題などの果てにたどり着く未来の可能性の1つなのかもしれませんね。