「金の極薄層」コーティングがメガネレンズを温めて結露を防ぐ
新しいコーティングは、微量の「金」からなる極薄層と、それを挟む電気絶縁材料「酸化チタン」の極薄層2枚で作られています。
しかも金の層は単一の金ナノ層で構成されており、非常に薄いため透明度が高く、柔軟性もあります。
この特徴は、丸みがあり透明度を重視するメガネレンズの条件にぴったり当てはまります。
そして研究チームによると、「この金コーティングは赤外線の大部分を吸収するため、太陽光で最高8℃まで加熱されます」とのこと。
また2つの酸化チタンの層は屈折率が高いため、加熱効果を高めてくれるのだとか。
このサンドイッチ構造のコーティング全体の厚さはわずか10ナノメートルであり、一般的な金箔の12分の1の厚さしかありません。
実際、コーティングありのレンズとコーティングなしのレンズを比較すると、前者に曇り防止で4倍、曇り除去で3倍の効果が認められました。
ちなみに、コーティングの費用について研究チームは、「金は高価ですが、コーティングに必要な量が非常に少ないため、材料費は低く抑えられる」と付け加えています。
この研究結果は、遠くない将来、多くのメガネユーザーを冬の煩わしさから解放するものとなるでしょう。