個々の細胞にアプローチする技術が求められる
特定の細胞だけが問題を抱えている場合の治療法として望ましいのは、その問題を抱えている細胞だけに薬を届けたり、切除したりすることです。
しかし現代の治療法のほとんどは、その他の健康な部位にもいくらか影響を与えてしまいます。
実際、薬物治療では全身にその効果が及びます。
手術では問題の部位に到達・切除するためにも、まず皮膚を切って開かなければいけません。
もし細胞1個単位でアプローチできる技術が開発されれば、患者や医者の負担は大きく軽減するでしょう。
そこでヨシフォン氏ら研究チームは、個々の細胞にアプローチできる細胞サイズのマイクロボットを開発することにしました。
開発されたマイクロボットの直径はわずか10μmです。
ヒトの細胞の平均的な大きさが直径20μmであるため、ちょうど細胞1個分サイズのマイクロボットとなります。