年間ホームラン数の1%は地球温暖化によるものだった
分析の結果、気温が1℃上がるごとにホームランの可能性が約1%増加すると判明しました。
また平均的な試合と比べて、気温が10℃高い試合では、ホームラン数が20%近く増加していました。

そして彼らの計算によると、2010年以降の500本以上のホームランは、地球温暖化による大気密度の低下が直接関係していました。
この数字は、年間ホームラン数の約1%が地球温暖化によって発生したことを意味します。
わずかではあるものの、地球温暖化は確かにホームランを増加させていたのです。
2019年のMLB史上最多記録である「年間6776本のホームラン」に当てはめると、そのうち68本に地球温暖化が関係していたことになります。

この分析結果は、ベテランのプレイヤーや監督たちの感覚とも一致しています。
フィラデルフィア・フィリーズのジェネラルマネージャーであるデーブ・ドンブロウスキー氏は、「私たちは何年も前から、常にそう感じてきました。暖かくなると、ボールはより遠くに飛ぶのです」と述べました。
今回の研究では、導き出されたモデルをもとに、今後地球温暖化が進んだ場合のホームラン数の変動も計算されています。
それによると、今後最悪のペースで地球温暖化が進んだ場合、「地球温暖化によるホームラン」が、2050年までに年間192本、2100年までに年間467本発生すると予測されています。
ホームラン自体は観客を興奮させるものですが、ホームランの過剰な増加は、野球の単純化・面白さの低減に繋がります。
地球温暖化は世界中の人々が抱える問題ですが、「野球に命を懸ける熱狂的なファン」にとっては、より深刻な問題かもしれません。
地球温暖化はすでに私たちの身近な娯楽に対しても、影響を与え始めているようです。