・ミツバチは0(ゼロ)を理解できることが判明
・人間と同様にサルや鳥がゼロを理解することは確認されていたが、昆虫では初めて
・ニューロンの少ない蜂がゼロを理解するメカニズムが解明されれば、AIへの応用が期待される
8日にScience誌で掲載された研究によると、ミツバチが数や0(ゼロ)の概念を理解していることが判明しました。
これまで、人間だけがゼロの概念を理解できると思われていましたが、最近になってサルや鳥でも理解できることが確認されています。今回の研究では、昆虫がゼロの概念を理解することを初めて発見しました。
http://science.sciencemag.org/content/360/6393/1124
研究では、ミツバチが数についての理解があるか実験を行いました。個々の蜂に印をつけて区別し、特別に設計された装置を用いました。
研究者は蜂に数を学習させるため、異なる個数のものが描かれている画像の中から、個数が最少の画像を選ぶように砂糖を報酬として練習させました。例えば、要素の数が3個のものと4個のものが現れたときには、3個の方を選ばせるといった形です。
そして、蜂にこれまで一度も学習させていない要素の個数が0(ゼロ)の画像を見せ、他の数と比較。すると、ゼロを最少のものとして選ぶことがわかりました。これは、蜂がゼロを理解していることを示しています。
ゼロというのは難しい概念であり、人間の子供でも学習するのは難しいと言われています。人間の脳のニューロンが物質の存在に対して反応を示すことは理解されていますが、「何も存在しない」という状態をどのように理解しているかは、未だ判明していません。
もしミツバチに数学の学習能力があるとすると、動物や人々がゼロの概念を理解するメカニズムの解明につながる可能性があります。
また、ミツバチの脳にあるニューロンの数は100万未満ですが、人間はおよそ860億ものニューロンを持ち合わせています。ニューロンの数が少ない蜂もゼロという概念を理解できるということから、ニューロンを模したAIの進歩も期待されるところです。
via: EurekAlert / translated & text by ヨッシー
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