・カンブリア紀の生命大爆発が地球外からのウィルスの影響による可能性
・タコの高度な進化は、地球外からもたらされた遺伝子による可能性
・現在得られている証拠の数々がこういった可能性を示唆している
「DNA分子の起源が地球にあるはずがない」と言ったのは、DNAの構造を発見したフランシス・クリック。
クリックは生命の起源について、1973年に発表した論文で、「知的生命体が宇宙に生命をばらまいたのだ」とする「意図的パンスペルミア」によって説明。しかしクリック自身も、その科学的な証拠が不十分であることを認めていたようです。
しかし今、このような説を現代の知見から、しかも真面目に論じた論文が発表されました。この論文では、タコの複雑な遺伝子は宇宙からもたらされたもの、あるいはタコそのものが宇宙生物だったのではないかと論じられています。論文は“the Progress in Biophysics and Molecular Biology”誌に33名の科学者の連名で発表。真実は別としても、本気で研究している科学者が33名も存在するのは事実なのです。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0079610718300798?via%3Dihub
この論文によると、カンブリア紀の生命大爆発は、宇宙に起源があると考えるのが妥当だとのこと。寿命の長い赤色矮星のハビタブルゾーンに、多くの系外惑星が見つかっていることを鑑みると、生命を持つ地球型の惑星の間で、遺伝子の交換が行なわれているという観点を無視することは出来ないのです。生命爆発の時期と、遺伝子をゲノムに組み込める逆転写酵素を持つレトロウィルスの出現の時期が重なっているのは、偶然ではないでしょう。また、生命の絶滅と爆発の境で隕石が衝突したことで、宇宙から地球にこういったウィルスがもたらされたのかもしれません。
また、論文ではタコの異様に高度な遺伝子に関しても論じられています。タコのゲノムは驚くほど複雑で、現在の人間よりも多い33,000ものタンパク質をコードした遺伝子を持っています。大きな脳、精巧な神経系、カメラのような目、柔軟な体。そして色や形を変える能力による即座のカモフラージュは、進化の過程で突然現れたレアで驚くべき特徴です。共通の祖先であるオウムガイを、普通のコウイカ、イカ、タコへと導いた変革遺伝子は、他の存在した生命の中には簡単には見つかりません。なので、これらの遺伝子が進化的に遠い『未来』からもたらされたのではないか、あるいはもっと現実的な考えが、広い宇宙からもたらされたというものなのです」
さらには、遺伝子が宇宙からもたらされたばかりでなく、タコの胚そのものが隕石を介して宇宙からもたらされた可能性も論じられています。
もしかしたら、ラブクラフトが空想したクトゥルフのようなタコ型の旧支配者が、人類以前に宇宙に存在し、地球上の覇者として君臨した時代があったのかもしれません。その恐怖は遺伝子に刻み込まれ、旧支配者の姿に出くわすとSAN値が削られ、狂気の淵に追いやられる…というのは冗談ですが、生命や遺伝子が宇宙からもたらされた可能性は、科学者の間でも無視できないものとなっているようです。
via: Collective Evolution/ translated & text by SENPAI
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