身体反応のデータと機械学習を組み合わせた手法を開発
研究者らは、33人の研究参加者に市販のウェアラブルデバイスを装着させ、音楽を聴いている間の心拍数データを収集しました。
参加者は、大ヒットした「ダンス・モンキー(Dance Money)」から、商業的に失敗した「デカリオ(Dekario)」まで、ロックやヒップポップなど24曲を聴かされました。
参加者の心拍数データは、アルゴリズムを使って「没入感(immersion)」という指標に変換されました。「没入感」とは、「音楽が引き起こす神経生理学的な反応を表す」指標で、ドーパミンとオキシトシンの量をアルゴリズムを用いて計算しています。
そして、この「没入感」指標とヒット曲との関係を、線形統計モデル(データの関係性を直線で表現するモデル)を用いて分析をしました。結果、ヒット曲は69%の精度で特定できました。
さらに、これらのデータを用いて訓練した機械学習モデルを適用すると、ヒット曲の特定率は97%にまで跳ね上がりました。

曲の最初の1分間だけでも、「没入感」指標に機械学習モデルを適用することで、ヒット曲を82%の成功率で正しく識別できたといいます。