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空気イスは高血圧の改善に効果的 / Credit:Canva
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動かず健康に!「空気イス」はランニングよりも高血圧の改善に役立つ

2026.03.30 06:30:18 Monday

高血圧に対処する方法として、定期的に走ることが勧められたりします。

しかしそこまでの運動習慣を持つのはなかなか難しいものです。

イギリスのカンタベリー・クライスト・チャーチ大学(CCCU)を中心とする研究チームが、複数の運動法を比較した大規模分析を行い、「動かない運動」であるアイソメトリック・エクササイズが、血圧を下げるうえで最も有力な方法である可能性を示しています。

この研究は2023年10月6日付の医学誌『British Journal of Sports Medicine』に掲載されました。

Simple, Static Exercises Could Lower Your Blood Pressure More Than Running https://www.zmescience.com/medicine/isometric-exercise-lower-blood-pressure/
Exercise training and resting blood pressure: a large-scale pairwise and network meta-analysis of randomised controlled trials https://doi.org/10.1136/bjsports-2022-106503

走るより効く?「空気イス」が血圧を下げる

CCCUの研究は、運動と血圧の関係を幅広く比較したメタ分析です。

メタ分析とは、複数の研究結果をまとめて全体の傾向を調べる手法で、医学研究の中でも信頼性の高い方法として知られています。

この研究では、270件のランダム化比較試験、合計1万5827人分のデータが分析されました。

比較対象となったのは、有酸素運動、筋力トレーニング、高強度インターバルトレーニング、複合運動、そして「アイソメトリック・エクササイズ」です。

アイソメトリック・エクササイズとは、体を大きく動かさず、筋肉に力を入れた状態を保つ運動のことです。

代表的なのが、「プランク」や壁に背中をつけて座るような姿勢を保つ「ウォールシット(ウォールスクワットと呼ばれることもある)」、いわゆる“空気イス”です。

まず大前提として、この研究ではどの運動でも血圧を下げる効果が確認されました。

ただし、その効果の大きさには違いがありました。

収縮期血圧、いわゆる上の血圧で比べると、有酸素運動では平均約4.5mmHgの低下だったのに対し、アイソメトリック・エクササイズでは約8.2mmHgの低下が見られました。

単純に見ると、かなり大きな差です。

さらに、各運動の効果を順位づけした分析でも、アイソメトリック・エクササイズはもっとも高い評価となりました。

つまりこの研究では、「血圧を下げる」という点に限れば、走ることや激しく動くことよりも、姿勢を保つだけの運動の方が有力だったのです。

中でも特に目立っていたのが、空気イスです。

この運動では、収縮期血圧が平均10mmHg以上低下していました。

必要とされた運動量も、極端に多いわけではありません。

研究でよく用いられていたアイソメトリック・エクササイズの方法は、2分間の姿勢保持を4回、これを週に3回ほど行うというものです。

これまで「血圧を下げるには、まず走ること」というイメージを持つ人は少なくありませんでした。

しかしこの結果は、血圧対策においては「たくさん動くこと」だけが正解ではないことを示しています。

では、なぜ「動かない運動」が高血圧の改善に効果的なのでしょうか。

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