ダンゴムシは食べた鉱石をどうしているのか?

ダンゴムシの背中は、黒っぽくて硬そうです。
触ると確かに硬いですが、よく観察すると、実は意外にしなやかでもあります。
もし子供の頃にダンゴムシと戯れた経験があるなら、実感がある人もいるかもしれません。
その秘密は、殻の内部に隠れていました。
これまでの研究で、ダンゴムシの殻は4つの層に分かれていることが知られていました。
外側はカルサイトという硬くて安定した炭酸カルシウムの結晶が多く、一方、内側にはアモルファス炭酸カルシウムという「まだ結晶になりきっていない、ふわっとした構造の炭酸カルシウム」がたくさん含まれています。
こうしたアモルファス炭酸カルシウムは、結晶よりも少ししなやかで柔軟性があり、殻を単に硬くするだけでなく、衝撃を吸収して割れにくくするという重要な役割があると考えられていました。
硬い外側が「鎧」だとしたら、内側は衝撃を吸収する「クッション材」のようなものです。
問題はそこから先です。
ダンゴムシが鉱物をそのまま殻に流用しているのか、それとも体の中でいったん“ダンゴムシ仕様”に組み替えているのかは、まだはっきりしていませんでした。
そしてこの違いは、じつはかなり重要です。
もし後者なら、ダンゴムシの殻は単なる外骨格ではなく、生き物が鉱物を巧みに加工して作る高度な材料だということになります。
そして生き物が鉱物をどう取り込み、どう加工して、どう使いこなしているのかという、生体鉱物化の本質に触れる問いでもあります。
SFでは惑星や小惑星の鉱物を体内に取り込み自らの装甲に加工する生物兵器のような存在が描かれることもありますが、地球産ダンゴムシを調べることで、フィクションではない、鉱物摂食によるリアルな自己装甲化のメカニズムが見えてくるかもしれません。





















































