自分で選ぶ vs 自分で選ばない
自分で選んだ方が自分で選ばなかった場合よりも興味を強く持ちます。
しかし過去の研究では、自己選択が興味を高める現象において事前の好みの影響を検討できていませんでした。
そこでラドバウド大学のパトリシア氏らの研究チームは、オンラインで募集した一般人118名を対象に、事前の好みを尋ねたうえで、自己選択と興味の関係性を検討しています。
この研究の面白い点は、自分が求めていた体験を自分が選ぶのではなく、他者が選んで経験する場合には、興味の強さがどう変化するのかを調べているところです。
最終的に自分が望んでいた選択を取れるのであれば、自己選択は必要がないようにも感じます。実際のところはどうなのでしょうか。
実験では、青と赤色のビー玉が複数入っている、2つの箱のうち、1つを選んだうえでビー玉を引き、より高いポイントのビー玉を集める課題を実施しました。
箱の選択は全部で116回行い、毎回箱の中の青と赤色のビー玉の数とポイントの大きさが変化します。
まず実験を開始する前に、参加者たちを、箱の選択を自分でするグループと、自分でしないグループの2つに分け、事前にどちらの箱からビー玉を引きたいかと、ビー玉を引いた後の結果に対する興味の強さを回答してもらいました。
また最後のビー玉の結果の表示のところでは、結果の不確実性が興味与える影響を調べるために、結果が表示されるときと表示されない時がありました。
この実験では、ゲーム内でより多くのポイントを獲得できれば、実験への参加報酬金額が増えました。そのため、より多くの報酬を得るためには、箱の中の期待値(獲得できると期待できるポイントの大きさ)がより高い箱を選びビー玉を引く必要があります。
さて自分で選択するか否かによって興味の強さに違いはあったのでしょうか。